メンバー

横山 祐典

YOKOYAMA, Yusuke

教授
大気海洋研究所

居室: 大気海洋研究所711号室(1-723)
電話: 080-7127-5540
ファックス: 04-7136-6148
メールアドレス:
HP: http://aces.aori.u-tokyo.ac.jp/yokoyama/

研究分野

気候変動学・海面変動・サンゴ気候学・加速器質量分析・年代測定 学・地球化学・南極氷床変動・地形学

研究内容

地球表層システムはいくつものサブシステムから成り立っており、それらの相互作用が、気候変動を含む表層環境変動として現れている。複雑なそれらのつながりのメカニズムを特には、長期-短期の時間スケールでの観測と、地球化学的/地球物理学的手法を用いた現象解析が重要なキーとなってくる。私は現在、そのような観点のもとに、気候変動や地殻変動などのトピックを研究している。海面変動を含んだ気候変動の研究と分析化学を中心とした研究はそれらの中でも中心的な存在であり、特に過去30万年間のエルニーニョー南方振動などの規模の復元や海洋大循環の変動の移り変わりなど、気候変動を高精度(10-1000年スケール)でとらえようとしている。具体的には海底堆積物やサンゴなどの地質学的サンプルをフィールドから採取し、地球物理学的なモデリングを含めてデータの解析を行っている。海面変動は気候変動の重要な情報である一方で、過去のジオイド面としてとらえることができるので、地殻変動の研究にも用いることができる。最近応用が盛んな、宇宙線照射生成核種やウランの非平衡を用いた質量分析器による分析により、高精度のデータを採取している。一方で、人類と自然環境との関わりに関する研究にも興味を持っており、特にアフリカに起源をもつ現在の人類の移動や自然環境と人類生活の進化との関わりについても研究を進めている。東京大学全体の国際交流を推進する委員会のメンバーでもあり、共同研究を含めた国際交流の活性化にもつとめている。日本が大きな役割を果たしている国際深海掘削プロジェクト(IODP)で掘削された、タヒチ沖のサンゴ礁サンプルの分析を、イギリスのオックスフォード大学やフランスの研究グループとの共同で実施した。その後のグレートバリアリーフ掘削では主席研究者として世界のチームをリードしてきている。また、IPCC (気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告書以来、報告書作成に関わっており過去の気候変動と将来の予測に関する点ついても強い興味を持っている。環境を左右する地球の物質循環という観点から長期的な炭素循環や風化侵食についての研究も、フィールドと実験との両方向から行っている。オーストラリアに5年、アメリカに3年滞在した後、6年の本郷での教育研究を経て2008年より大気海洋研究所。

主要論文・著書

1. Yokoyama, Y. et al.(2018) Rapid glaciation and a two-step sea level plunge into the Last Glacial Maximum. Nature, 559, 603-607
2. Lee, C., Yokoyama, Y. et al.(2016) Two-step rise of atmospheric oxygen linked to the growth of continents. Nature Geoscience, 9, 417-424
3. Yokoyama, Y. et al.(2016) Widespread collapse of the Ross Ice Shelf during the late Holocene. PNAS (Proceedings of National Academy of Science USA), 113 (9), 2354-2359
4. 横山祐典・鈴木淳(2013) ENSOと古気候研究、 気象研究ノート 228号、pp 181-192.
5. 横山祐典, 阿瀬貴博, 村澤晃, 松崎浩之(2005) 宇宙線照射生成核種を用いた地球表層プロセスの研究、地質学雑誌 111、pp 693-700.
6. 横山祐典 (2018) 地球46億年気候大変動-炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来:講談社ブルーバックス