メンバー

茅根 創

KAYANNE, Hajime

教授
地球惑星システム科学講座

居室: 理学部1号館C棟633
電話: 03-5841-4573
ファックス: 03-5841-4690
メールアドレス:
HP: http://kayannelab.com/wordpress/

研究分野

地球環境システム学(サンゴ礁・炭素循環・地球温暖化・海洋酸 性化)

研究内容

海岸・沿岸,とくにサンゴ礁における現地調査・観測と採取試料の分析とに基づいて,生命圏−環境相互作用とその過去と将来の地球規模変動に対する応答,炭素循環機構の解明,古環境変動の復元などの研究に取り組んでいる.地球温暖化に対するサンゴ礁の応答サンゴ礁は,地球温暖化に対してもっとも敏感な生態系である.その応答過程を明らかにすることによって,地球環境変化に対する生態系の応答・フェイズシフトのモデルを構築するとともに,ローカル・グローバルな環境ストレスによって破壊の危機にあるサンゴ礁の再生を目指す「サンゴ礁学」の構築をはかる. サンゴ礁における炭素循環機構について,海洋におけるCO2や炭酸系などの測定手法の開発,CO2 の現地観測,群集代謝とそれを規定する要因の調査を行い,炭素とそれに関わる栄養塩などの循環機構を明らかにする.こうした結果に基づいて, 沿岸・サンゴ礁のCO2収支がどのようなrn条件によって規定されているかを明らかにして,生態系のCO2吸収能力の活用策を提案する.サンゴ礁とサンゴが記録している気候変化や海面変化の歴史を高精度で復元し,変動のメカニズムを明らかにする.環礁今世紀の海面上昇によって水没の危機にある環礁州島が,本来持っていた島の形成メカニズムに基づいて,環境変動に対して復元力の高い島を作ることを目指す.島の構成者として重要な有孔虫の増殖によって島の形成を促す,Foram Sand Project をツバルにおいて実証実験を進めている.

主要論文・著書

1. Kayanne, H.: Validation of degree heating weeks as a coral bleaching index in the northwestern Pacific. Coral Reefs, 36(1), 63-70, doi: 10.1007/s00338-016-1524-y (2017).
2. Kayanne, H., Aoki, K., Suzuki, T., Hongo, C., Yamano, H., Ide, Y., Iwatsuka, Y., Takahashi, K., Katayama, H., Sekimoto, T., Isobe, M.: Eco-geomorphic processes that maintain a small coral reef island: Ballast Island in the Ryukyu Islands, Japan. Geomorphology 271, 84-93 (2016).
3. Kayanne, H., Yasukochi, T., Yamaguchi, T., Yamano, H. and Yoneda, M.: Rapid settlement of Majuro Atoll, central Pacific, following its emergence at 2000 years CalBP. Geophysical Research Letters, 38, L20405, doi:10.1029/2011GL049163 (2011).
4. 日本サンゴ礁学会編:『サンゴ礁学』東海大学出版会、 (2011)
5. 地球惑星システム科学講座編:『進化する地球惑星システム』、東京大学出版会 (2004)
6. 環境省・日本サンゴ礁学会編:日本のサンゴ礁(日本語・英語)、環境省(2004)