メンバー

安田 敦

YASUDA, Atsushi

准教授
地震研究所

居室: 地震研究所412
電話: 03-5841-5750
ファックス: 03-5802-3391
メールアドレス:
HP: http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/yasuda/

 

研究分野

実験マグマ学

研究内容

マグマ活動全般に対する物質科学的研究を行っている。 火山噴出物には,マグマ源の組成情報のみならずマグマの経験してきた環境や時間に関する情報が隠されている。これらを組成や組織の解析によって読み解き,火山の地下で何が起こっているのかを明らかにすることを目指している。特に斑晶中のメルト包有物や石基組織は,マグマ溜まりの進化やマグマの上昇と脱ガスプロセスを知るのに有用であり,現在はこれらに着目し伊豆・マリアナ弧の火山群について研究している。 地球の進化におけるマグマの役割の解明は二つ目の大きな研究テーマである。最近の研究では、プレートの沈み込みにともなってマントルに注入される物質が様々な場所における火山活動に大きな役割を果たしていることを明らかにした。例えば沈み込んだ海洋地殻がホットスポットの火成活動や洪水玄武岩としてリサイクルされることや、スラブから脱水した水の連結性によって島弧の火山フロントの位置が決まっていることなどである。   研究は主として、分析、実験、モデル計算といった手法の組み合わせによる。玄武岩の高圧下での融解を調べた研究では、沈み込んだ海洋地殻がマントル中でどうなるのかを議論する上で基礎となるデータを与え,さらに物質の密度差の計算を加えることによって,沈み込んだ海洋地殻がマントルプルームに取り込まれて上昇し大規模火成活動を引き起こすというモデルを提出した。

主要論文・著書

1. A. Yasuda, A new technique using FT-IR micro-reflectance spectroscopy for measurement of water concentrations in melt inclusions , EPS, 66, DOI: 10.1186/1880-5981-66-34, 2014
2. A. Yasuda and T. Fujii, Ascending subducted oceanic crust entrained within mantle plumes, Geophys. Res. Lett., 25, 1561-1564, 1998.
3. A. Yasuda, T. Fujii and K. Kurita, Melting phase relations of an anhydrous mid-ocean ridge basalt from 3 to 20 GPa: Implications for the behavior of subducted oceanic crust in the mantle, JGR, 99, 9401-9414, 1994.
4. 安田 敦・金子隆之・新堀賢志・藤井敏嗣、 ユーザーインターフェイスを改良した溶岩流シミュレーションシステムとその防災上の意義、 火山、 58、427-441、2011.
5. 安田 敦、 プルームを読む(川勝編:「地球ダイナミクスとトモグラフィー」第8章)、朝倉書店、161-189、2002.
6. 安田 敦・吉本充宏・藤井敏嗣,姶良火砕噴火のマグマ溜まり深度,火山, 60, 3, 381-397, 2015