メンバー

小河 正基

OGAWA, Masaki

准教授(兼)
総合文化研究科

居室: 801B
電話: 03-5454-6612
ファックス: 03-5465-8244
メールアドレス:
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研究分野

固体地球惑星物理学

研究内容

私の研究テーマは地球型惑星のマントルの熱化学的状態がどのようにその惑星の歴史を通じて進化してきたか、それに応じてその惑星のテクトニックな活動様式はどう変化してきたかを解明する事です。マントルは火成活動による物質分化とマントル対流と火成活動による熱物質輸送の結果進化します。これらのプロセスを理解するため、マントル対流を熱的組成的浮力により駆動される粘性流体の対流としてモデル化し、火成活動をマントル湧昇流によって生成したマグマの浸透流によりモデル化してきました。このモデル化の最も重要な特徴は火成活動とマントル対流の相互作用をフルに考慮していることにあります。この研究の過程で、既に地球のプレートテクトニクスやトモグラフィーで明らかになった現在のマントルの不均質構造の特徴を再現し、20-30億年前の地球のテクトニックな活動の様式変化を説明する事に成功しました。さらに、地球型惑星の中で最も単純な進化を遂げた月や、内部進化が表層環境にも顕著な影響を及ぼした火星、地球とほぼ同じサイズであるにもかかわらず地球と全く異なる進化を遂げた金星にこのマントル進化モデルを応用してきました。

主要論文・著書

1. Ogawa, M., Two-stage evolution of the Earth's mantle inferred from numerical simulation of coupled magmatism-mantle convection system with tectonic plates, J. Geophys. Res., 119, doi:10.1002/2013JB010315, 2014.
2. Ogawa, M., and T. Yanagisawa, Mantle evolution in Venus due to magmatism and phase transitions: From punctuated layered convection to whole-mantle convection, J. Geophys. Res. planet, 119, 867-883, doi:10.1002/2013JE004586, 2014.
3. Ogawa, M, Magmatic differentiation and convective stirring of the mantle in early planets: the effects of magmatism-mantle upwelling feedback, Geophys. J. Int., 215, 2144-2155, 2018
4. 地球型惑星内部物理学の最近の進展、地学雑誌、124, 1-30
5. 小河正基、地球型惑星の内部進化:火星からスーパー地球まで、日本物理学会誌、69 (12), 860-869, 2014。