メンバー

齋藤 義文

SAITO, Yoshifumi

教授(委)
宇宙科学研究所/JAXA

居室: 宇宙科学研究所1510
電話: 050-3362-4632
ファックス: 042-759-8456
メールアドレス:
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研究分野

惑星磁気圏物理学・惑星探査用観測装置開発

研究内容

これまで私は観測ロケットや人工衛星を用いた地球電離圏、磁気圏のプラズマ観測を行ってきました。特に観測ロケットや人工衛星に搭載するプラズマ、低エネルギー粒子の観測器の開発に携わっています。これらの観測器で得られたデータを解析し、宇宙空間における荷電粒子の加速過程や輸送過程の研究、磁気圏プラズマの巨視的な構造やダイナミクスの研究を行っています。
2007年度の夏には月周回探査衛星「かぐや」が打ち上げられました。私はこの「かぐや」に搭載されたPACE(プラズマ観測装置)の主任研究者( PI )として観測装置の衛星搭載準備を行いました。PACEは2009年6月に約1年半にわたる月周回軌道での観測を無事終了しましたが、予想を遥かに超えて面白いデータが得ることができました。今もデータの解析を楽しんでいます。
更に、現在は2018年10月に打ち上げ予定の水星磁気圏探査衛星BepiColombo/MMOに搭載されるMPPE (プラズマ/粒子観測装置)の主任研究者(PI)として観測装置の開発を進めています。BepiColombo計画はヨーロッパ宇宙機構と宇宙航空研究開発機構との共同ミッションで、観測装置の開発もヨーロッパの研究者と密接に連絡をとりながら進めています。
また、2015年3月に打ち上げられた米国の地球磁気圏編隊飛行観測衛星MMSに搭載された低エネルギーイオンの観測装置(FPI-DIS)の開発を担当し、磁気圏尾部で観測された新しいデータの解析を始めています。
以上に加えて、2018年の冬には、地球の電離圏から磁気圏に向けて電離大気が流出する現象のメカニズムを解明すべく、宇宙科学研究所の2段式観測ロケットSS520をノルウェーのスピッツベルゲン島から打ち上げたいと考えて計画を進めています。
もっと将来の計画ですが、2022年に打ち上げ予定のヨーロッパ宇宙機構の大型ミッションである木星氷衛星探査計画JUICEへ日本からも観測装置の一部を提供して参加する予定ですがその日本チームの取りまとめも行っています。
更に最近は、将来の惑星着陸探査を目指して、惑星表面物質の質量分析を行うための観測装置の開発も進めています。
このほか、高時間分解能の電子計測装置や超小型衛星に搭載可能な小型の荷電粒子計測器、同位体を計測できるだけの高い質量分解能を持った低エネルギーイオンの観測器などの開発も進めています。

主要論文・著書

1. Saito, Y., S. Yokota, K. Asamura, and A. Krieger (2017), High-speed MCP anodes for high time resolution low-energy charged particle spectrometers, J. Geophys. Res. SpacePhysics, 122, 1816-1830, doi:10.1002/2016JA023157.
2. Saito Y., S. Yokota, K. Asamura, T. Tanaka, M. N. Nishino, T. Yamamoto, Y. Terakawa, M. Fujimoto, H. Hasegawa, H. Hayakawa, M. Hirahara, M. Hoshino, S. Machida, T. Mukai, T. Nagai, T. Nagatsuma, T. Nakagawa, M. Nakamura, K. Oyama, E. Sagawa, S. Sasaki, K. Seki, I. Shinohara, T. Terasawa et al., In-flight Performance and Initial Results of Plasma Energy Angle and Composition Experiment (PACE) on SELENE (Kaguya), Space Sci. Rev., 154, 1-4, 265-303, 2010, doi:10.1007/s11214-010-9647-x
3. Saito Y., J.A. Sauvaud, M. Hirahara, S. Barabash, D. Delcourt, T. Takashima, K. Asamura and BepiColombo MMO/MPPE Team, Scientific objectives and instrumentation of Mercury Plasma Particle Experiment (MPPE) onboard MMO, Planetary and Space Science, Volume 58, Issues 1-2, January 2010, Pages 182-200
4. 該当無し