メンバー
佐藤 薫SATO, Kaoru 教授 居室: 理学部新1号館847 |
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研究分野大気力学・中層大気科学 研究内容気象学のカバーする大気は地上から約100㎞の高さの対流圏・成層圏・中間圏・下部熱圏です。対流圏を除く大気を特に中層大気と呼びます。この広い大気全体の温度や風の構造、緯度を超えた大循環には、様々な擾乱(大気波動、不安定現象、乱流等)が深くかかわっています。私の研究室ではこのような大気擾乱のグローバル特性と階層構造や大気の遠隔結合に関する力学的研究を行っています。中層大気、特に中間圏は観測もモデリングも難しく、長く未知の領域でしたが、最近の研究により対流圏のような変動の大きいダイナミックな領域であることが徐々にわかってきました。理論・高解像度観測・高解像度大気大循環モデル・データ同化・深層学習などの手法を駆使して、対流圏界面も含む中層大気全体の力学に取り組んでいます。このような大気全体の力学を明らかにすることは、地上の季節予報をより早くより精度よく可能にするだけでなく、気候の将来予測の不確実性を減らすことに貢献します。また、気候学的に重要であるにも関わらず環境が過酷で観測的研究が遅れている南極に、世界初の大型大気レーダーPANSYを導入し、大気全体の精密連続観測を推進しています。 主要論文・著書
1. Sato, K., and S. Hirano (2019), The climatology of Brewer-Dobson circulation and the contribution of gravity waves, Atmos. Chem, Phys., 19, 4517-4539. https://doi.org/10.5194/acp-19-4517-2019. |