メンバー
小坂 優KOSAKA, Yu 准教授 居室: 駒場IIキャンパス 先端研3号館409 |
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研究分野気候変動・異常気象・気候力学・大気海洋相互作用 研究内容気候の大規模な変動現象の地域影響や全球影響、メカニズム、予測可能性を、観測データの統計解析や力学診断、理想化数値モデルやより複雑な大気大循環モデル・気候モデルを用いて研究しています。特にこれまで、熱帯域の変動が遠隔影響(テレコネクション)によって世界の様々な地域の天候に与える影響やそのメカニズムを中心に研究してきました。夏の東アジアに猛暑や冷夏などの異常気象をもたらすいくつかの遠隔影響パターンについて、そのメカニズムや予測可能性、数十年規模変動や温暖化に伴う長期変調を研究しています。エルニーニョ・ラニーニャ現象などの熱帯大気海洋結合変動はこれらの遠隔影響パターンの一つを駆動し、日本の夏の天候に対する数ヶ月前からの予測を可能にしています。また、熱帯太平洋で起こる数十年規模のゆっくりとした自然変動の全球影響が、人為起源の全球平均気温の上昇を10~20年程度相殺しうるほど強いことを示し、近年の地球温暖化の「停滞」の原因を定量的に説明しました。他に、地球温暖化がもたらす地域的な気候変化の同定及びその空間構造の形成メカニズムの研究や、極域の海氷変動のメカニズムとそれがもたらす遠隔影響の研究も行っています。 主要論文・著書
1. Kosaka, Y. and S.-P. Xie: The tropical Pacific as a key pacemaker of the variable rates of global warming. Nature Geosci, 9, 669-673, 2016. |