メンバー

狩野 彰宏

KANO, Akihiro

教授
地球生命圏科学講座

居室: 理学部一号館536
電話: 03-5841-4541
ファックス: --
メールアドレス:
HP: http://www-gbs.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~kano/

研究分野

堆積学,古気候学,生命地球科学

研究内容

地球史を大気・海洋・生命の相互作用の進化過程としてとらえ,様々な時間スケールで地層や岩石に記録される地球表層環境の解読を進めている。フィールド調査を基礎とし,以下の3つのテーマについて重点的に研究している。1.石筍を用いた過去10万年間の陸域古気候変動:日本国内では,温暖化地球での気候変動予測につながる近過去の陸域古気候の情報は少ない。そこで,広島・新潟など国内の鍾乳洞から採集した石筍試料の酸素・炭素同位体比と炭酸凝集同位体から,1000〜数10年スケールの降水量・気温変動を解析している。2.新原生代後期の気候の激変と多細胞動物の進化:全球凍結が起こった7〜6億年前に多細胞動物が進化したことは地球史最大の謎の1つである。2つの事象の因果関係を探求するため,中国とブラジルの地層を対象に地球化学的・古生物学的解析を進め,原始的な動物の進化に関する独自の仮説を検証中である。3.トラバーチンの研究:カルシウムイオンに富む温泉水から沈殿する堆積物は炭酸カルシウムを主成分とし,トラバーチンと呼ばれる。その中には観察される縞状組織は光合成細菌の活動とリンクした日輪である。これを,太古の浅海に広がっていたストロマトライトのモダンアナログとして研究を進めている。4.その他,エネルギー資源として有望なガスハイドレートの研究,新たな古温度計として開発された凝集炭酸同位体の適用も手がけている。

主要論文・著書

1. Sone, T., Kano, A., Okumura, T., Kashiwagi, K., Hori, M., Jiang, X., Shen, C.-C. (2013) Holocene stalagmite oxygen isotopic record from the Japan Sea side of the Japanese Islands, as a new proxy of the East Asian winter monsoon. Quaternary Science Reviews, 75, 150-160.
2. Kano, A., Ferdelman, T.G., Williams, T., Henriet, J.-P., Ishikawa, T., Kawagoe, N., Takashima, C., Kakizaki, Y., Abe, K., Sakai, S., Browning, E.L., Li, X. and Integrated Ocean Drilling Program Expedition 307 Scientists (2007) Age constraints on the origin and growth history of a deep-water coral mound in the northeast Atlantic drilled during Integrated Ocean Drilling Program Expedition 307. Geology, 35, 1051-1054.
3. Kano, A., Matsuoka, J., Kojo, T. and Fujii, H. (2003) Origin of annual laminations in tufa deposits, southwest Japan. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 191, 243-262.
4. 狩野彰宏・古山精史朗 (2015) エディアカラ紀の環境激変と動物進化:地球史統合科学の成果.地球科学,69, 175-183.
5. 狩野彰宏 (2012) 石筍古気候学の原理と展開.地質学雑誌, 118, 157-171.