メンバー
狩野 彰宏KANO, Akihiro 教授 居室: 理学部一号館536 |
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研究分野堆積学,古気候学,生命地球科学 研究内容地球史を大気・海洋・生命の相互作用の進化過程としてとらえ,様々な時間スケールで地層や岩石に記録される地球表層環境の解読を進めている。フィールド調査を基礎とし,以下の3つのテーマについて重点的に研究している。1.石筍を用いた過去10万年間の陸域古気候変動:日本国内では,温暖化地球での気候変動予測につながる近過去の陸域古気候の情報は少ない。そこで,広島・新潟など国内の鍾乳洞から採集した石筍試料の酸素・炭素同位体比と炭酸凝集同位体から,1000〜数10年スケールの降水量・気温変動を解析している。2.新原生代後期の気候の激変と多細胞動物の進化:全球凍結が起こった7〜6億年前に多細胞動物が進化したことは地球史最大の謎の1つである。2つの事象の因果関係を探求するため,中国とブラジルの地層を対象に地球化学的・古生物学的解析を進め,原始的な動物の進化に関する独自の仮説を検証中である。3.トラバーチンの研究:カルシウムイオンに富む温泉水から沈殿する堆積物は炭酸カルシウムを主成分とし,トラバーチンと呼ばれる。その中には観察される縞状組織は光合成細菌の活動とリンクした日輪である。これを,太古の浅海に広がっていたストロマトライトのモダンアナログとして研究を進めている。4.その他,エネルギー資源として有望なガスハイドレートの研究,新たな古温度計として開発された凝集炭酸同位体の適用も手がけている。 主要論文・著書
1. Kano, A., Okumura, T., Takashima, C., Shiraishi, F. (2019) Geomicrobiological Properties and Processes of Travertine: With a Focus on Japanese Sites (Springer Geology). Springer Nature, Singapore, 176 p. |