研究分野
地震学・津波・火山学
研究内容
電離圏・大気圏・海洋・固体地球(マントル・コア)から構成される全地球を、弾性力・重力・コリオリ力・電磁気力などで結合した一つの力学系【地球系】として捉え、地震や火山噴火時に限らず、【地球系】に現れる様々な地球物理現象ーー地殻変動・重力変動や、電離層擾乱、地震波・大気波動(音波・重力波)・津波・海洋潮汐などーーを対象とする理論的・観測的・解析的研究から、様々な多圏間相互作用現象を見出し、原点に立ち返りその現象の本質を見抜き、地球科学上の新たな包括的知見の獲得を目指します。
これまでの明らかにしてきた研究例は
(1)地震動と同時に大気圧が変動する現象の観測とそのメカニズムの解明
(2)巨大火山噴火時に大気と大地が音響共鳴するメカニズムの解明
(3)外洋を横断するような遠地津波の走時遅延と初動反転メカニズムの解明
など。
今後も
(1)津波励起源を持たない津波の研究:海洋底水圧連続記録から波形干渉法を用いた津波波形の合成
(2)地震・火山噴火起源の大気波動と電離層擾乱の研究
(3)…
など多圏地球システムをのダイナミクスを研究します。
主要論文・著書
1. Watada, S.(2023), Progress and Application of the Synthesis of Trans-oceanic Tsunamis, Prog. Earth Planet. Sci., 10, 26, doi:10.1186/s40645-023-00555-1 2. Watada, S., Imanishi, Y., and Tanaka, K. (2023), Detection of air temperature and wind changes synchronized with the Lamb wave from the 2022 Tonga volcanic eruption, Geophys. Res. Lett., 50, e2022GL100884, doi:10.1029/2022GL100884. 3. Watada, S., S. Kusumoto, and K. Satake (2014), Traveltime delay and initial phase reversal of distant tsunamis coupled with the self-gravitating elastic Earth, J. Geophys. Res. Solid Earth, 119(5), 4287–4310, doi:10.1002/2013JB010841. 4. 綿田辰吾 (2020), 地震波より早く伝わる地震情報, 物理科学この1年 2020年, 130-134, 丸善出版 5. 綿田辰吾 (2021), 津波は地球を揺らす-遠地津波波形解析技術の向上-, 地震ジャーナル, 71, 60-65 6. 綿田辰吾(2022), 遅れてやってきた2022年フンガ火山噴火起源の最大波高津波, 岩波科学, 92, 6, 565-570 |