メンバー
山野 博哉YAMANO, Hiroya 教授 居室: 理学部1号館705 |
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研究分野地球人間圏科学・自然地理学・環境学・サンゴ礁学 研究内容サンゴ礁などの沿岸域を対象とし、完新世と人新世における地球環境変動が地形や生態系及び人間圏に与える影響の評価・予測と適応策に関する研究をフィールド調査や空間情報解析によって行っている。その知見や視野に基づき、地球環境・生物圏・人間圏のシステムの理解を深め、地球環境変動下において持続可能な社会形成に資する研究展開を行いたい。(1) 完新世における地球表層環境の形成と動態地形の成り立ちを知ることは、人類の拡散や居住史の議論の基礎となり、災害への備えなど現在の社会課題にもつながる。化石サンゴなどの環境指標を用い、コアの掘削や露頭の観察により、完新世の海面変動や地殻変動の復元と地形発達史に関する研究を行っている。(2) 人新世における環境変動影響と適応産業革命以降の気候変動に伴う水温上昇にともなって沿岸環境は大きく変化している。過去からのデータの収集整理とモニタリングによる変化の実証と、変化のメカニズムの解明や将来予測を行っている。こうした変化に対する適応策として、生態系の保全と利活用のための海域・陸域の空間計画の検討を行っている。(3)地球環境・社会・生態システムの統合評価 人間圏がもたらす環境変化が地形・気候や生物圏など地球表層環境に与える影響、さらには生物圏の変化が生態系機能とサービスの変化を通じて人間圏に与える影響に関して、統合評価モデルの設計と構築を行っている。生態系サービスは生物の分布と機能が人間圏に認識されて発生するため、生物分布変化の実証とともに社会の認識に踏み込んだ研究展開を行っている。これらに基づいて、環境変化に対するシステムの応答を評価し、課題解決に向けた介入策を検討している。(4)自然に根ざした社会問題の解決 近年、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)やグリーンインフラなど、自然環境をインフラとみなし活用する考え方が広まりつつある。これらは総称して、自然に根ざした社会問題の解決策(NbS ; Nature-based Solutions)と呼ばれる。(1)-(3)の地球表層環境やシステムの研究に立脚し、国内におけるグリーンインフラ投入可能性の検討や、島嶼国におけるサンゴ礁生態系の保全に基づいた国土の維持の検討を行っている。 主要論文・著書
1. Yamano H., Sakuma A., Harii S. (2020) Coral-spawn slicks: Reflectance spectra and detection using optical satellite data. Remote Sensing of Environment, 251 (112058) |